お蚕さまのたより|vol.4 世紀の発見!「ナトリード」
15 年間、カイコハナサナギタケ冬虫夏草の研究の先頭に立ち続けたのは鈴木幸一岩手大学名誉教授でした。夏、鈴木氏と岩手県北上市更木の山間部にある桑畑をたずねました。今日はその時、鈴木教授に伺ったお話をお届けします。
目次
1.岩手の桑畑で葉を収穫して餌に
2.2010年の論文発表が契機
3.未来への期待を込めて名前は「子供」
1.岩手の桑畑で葉を収穫して餌に
第一工業製薬グループのバイオコクーン研究所と連携する更木ふるさと興社(岩手県)の桑畑は、東京ドームに匹敵する広さ。
6月から9月まで、蚕の餌となる桑の葉を日々刈り入れています。
突然鈴木教授が「あっ、桑子(くわこ)です」と声を上げました。
近づくと桑の葉に黄緑色の繭が付いています。
桑子とは野蚕(やさん)とも言い、大昔、これを家畜化したのが家蚕(かさん)、蚕のことです。
カイコハナサナギタケ冬虫夏草の研究を担うバイオコクーンの拠点は、岩手大学内の盛岡市産学官連携研究センターです。
2.2010年の論文発表が契機
鈴木教授がこの研究環境を得るきっかけは、2010年に論文発表した研究でした。
この論文では、カイコハナサナギタケ冬虫夏草の熱水抽出物を用いた動物試験の結果を発表。
この論文が認められ、大型研究費を獲得することができました。
その後、カイコハナサナギタケ冬虫夏草に含まれる新規の有用成分とその機能性を突き止めます。
さらに共同研究者である品田哲郎氏が、数個のアミノ酸が環状に結合している環状ペプチドであると特定しました。
3.未来への期待を込めて名前は「子供」
鈴木氏は、発見した新規有用成分を、尊敬する宮沢賢治にちなみ、エスペラント語で「自然、子供」を意味する「Naturido ナトリード」と命名しました。
ナトリード®は、これからの高齢化社会における種々の課題の解決に有用となる可能性を秘めています。
「新型コロナのパンデミックも、人為的なところが大きいです。21 世紀になって、気候変動も、世界各地の対立や紛争も、すべて人為的です。さまざまな宗教もあるのに、人類はなぜ進化しないのでしょうか。実は私たちは、脳のポテンシャルの10%しか活用していません。脳の活性を20%に高めれば、人類はもっと賢くなります」。
鈴木氏の研究によって、21世紀に誕生したナトリード®。
人類の抱えるさまざまな課題を、脳力の向上によって解決できると鈴木氏は大きな期待を抱いていました。
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明日はもっと、豊かな自分に。
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