特集》京の行事食おつゆレシピVOL.2 冬至―小豆とかぼちゃのお味噌汁
一年の締めくくり、12月。新しい年を迎える準備で忙しい季節ですが、慌ただしいなかにも、季節の行事は楽しみたいですね。行事と食のつながりを全国に発信するおせち料理・行事食研究家の小宮理実さんにご協力いただいている「京の行事食おつゆレシピ」。2回目は、冬至にちなんでかぼちゃを使ったレシピをご紹介します。小豆と合わせて、いとこ汁のようにしたお味噌汁です!
冬が去って春が訪れ、陰が陽に転ずる日「冬至」
冬至は、一年の中で最も昼が短い日。2022年の冬至は12月22日です。この日は、季節の変化を24通りの指標で表わした二十四節気の起点で、冬が去り、春が訪れ、陰が陽に転ずる日として「一陽来復(いちようらいふく)」と呼ばれています。
そんな冬至の日に「ん」がつく食材を食べることは、「運盛り」と言われ、古くから縁起が良いことだと考えられてきました。なかでも、かぼちゃ(南京)、にんじん、れんこん、きんかん、ぎんなん、うんどん(うどん)、寒天から成る「冬至七草」は、いずれも「ん」が2回も! 寒さ厳しく、忙しい師走を乗り切るため、昔からこれらの食材を料理に取り入れて運気を上げ、家族の健康を祈ってきました。
「冬至七草」のうち、かぼちゃは「冬至かぼちゃ」として特に有名です。京都でも、小豆と合わせて「いとこ煮」にしたり、汁物に仕立てて「いとこ汁」にしたりしていただきます。今回は、小宮理実さんが、お味噌汁にアレンジしてくれました。「小豆とかぼちゃのお味噌汁」、ぜひつくってみてください。
「小豆とかぼちゃのお味噌汁」のレシピ
〈材料〉2人分
小豆 30g
かぼちゃ 200g程度
味噌 適量
水 適量
だし汁 200ml
〈作り方〉
- 小豆は12時間ほど水に浸した後、鍋に移し、中火で15分煮る。
- 別の鍋に一口大に切ったかぼちゃを入れ、かぼちゃがかぶるくらいの水を注いで、やわらかくなるまで煮る。
- また別の鍋にだし汁を注ぎ、火にかけて1)と2)を入れ、味噌をとく。
小宮理実さんからのワンポイント
「いとこ煮」は、「硬いものをおいおい(甥)入れて、めいめい(姪)炊き込んでいく」調理法から名付けられたとも言われているお料理です。神様へのお供え物を集めて煮たことから生まれた料理で、冬に備えた栄養源としても、験担ぎの意味でも冬至には欠かせません。小豆はかぼちゃと一緒に煮込む前に、煮ておいてください。小豆は邪気払いの王様。冬至かぼちゃと一緒にいただき、新年に向けて身も心も整えましょう!
《小宮理実さんプロフィール》
お節・行事食研究家 小宮理実(こみやりみ)
京都生まれ、京都育ちのおせち料理・行事食研究家。5歳の頃から祖母の手ほどきでおせち料理作りをはじめる。京都ならではの暦を意識した食と暮らしを刷り込まれて育つ。現代の暮らしに京都の知恵を生かす工夫を考案する。食育、企業の商品開発、おせち料理の監修・テレビ・ラジオ・雑誌で活躍中。近著に『福を呼ぶ 京都食と暮らし暦』(2019 年 青幻舎)『京のおばんざい四季の味』(2019年 家の光協会)がある。
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