特集》京の行事食おつゆレシピvol.4 春分-「春はぼた餅 白味噌のおつゆ」
桜の蕾が膨らみ始める3月の中旬。そろそろお花見……なんてそわそわする時期ですね。季節行事と食のつながりを全国に発信するおせち料理・行事食研究家の小宮理実さんにご協力いただいている「京の行事食おつゆレシピ」。4回目は3月21日の「春分の日」にちなんで「春はぼた餅 白味噌のおつゆ」のレシピをご紹介します。
ご先祖様へ感謝する「春分の日」
太陽が黄道上の春分点を通過する春分の日。この日は、昼夜の長さがちょうど同じになり、その後は、夜よりもお昼の長さがどんどん長くなっていく季節の境目です。春分の日は、「お彼岸の中日」でもあります。「彼岸」とは私たちが今暮らす「此岸(しがん)」に対しての「彼の岸(かのきし)」。太陽が真東からのぼり、真西に沈んでいく春分の日は、古くは、あの世とこの世が最も近くなると考えられてきました。だからお彼岸には、お墓参りにいったり、お供えをしたりするんですね。
お彼岸にお供えするのがぼた餅。ぼた餅を食べる理由の一つは小豆にあります。小豆の赤色には邪気を祓い、魔除けの効果があるといわれてきました。今回はそんなぼた餅をおつゆの具とするユニークな一品です!
「春はぼた餅 白味噌のおつゆ」のレシピ
〈材料〉1人分
ぼた餅 1個
白味噌 適量
水 200cc
きな粉 少々
〈作り方〉
1)鍋に水、白味噌を加えよくといておく。
2)弱火でゆっくりあたためる。
3)うつわにぼた餅を入れきな粉をかけ、2)をそそぐ。
小宮理実さんからのワンポイント
市販のぼた餅も、おつゆにすることで、新しい食べ方を楽しむことができますよ。ちなみにボタンの花が咲く春に食べるのは「ぼた餅」。秋のお彼岸にいただくのは、ハギの花にちなんで「おはぎ」と呼ばれます。
《小宮理実さんプロフィール》
お節・行事食研究家 小宮理実(こみやりみ)
京都生まれ、京都育ちのおせち料理・行事食研究家。5歳の頃から祖母の手ほどきでおせち料理作りをはじめる。京都ならではの暦を意識した食と暮らしを刷り込まれて育つ。現代の暮らしに京都の知恵を生かす工夫を考案する。食育、企業の商品開発、おせち料理の監修・テレビ・ラジオ・雑誌で活躍中。近著に『福を呼ぶ 京都食と暮らし暦』(2019 年 青幻舎)『京のおばんざい四季の味』(2019年 家の光協会)がある。
- - - - - -
明日はもっと、豊かな自分に。
あなたの毎日に寄り添う『天虫花草』は、最新の情報や日々のお知らせをSNSで発信しています。
フォロー、お友だち追加のほど、よろしくお願いします。