2022年 4月 12日
きせつのえてがみ|Vol.2 つぶやいた言葉が不意に香りだす 心の奥にあつめた香水
先日エレベーターに乗った時、私の母と同じ歳ごろの女性が後から乗ってこられました。
開ボタンを押す私に、彼女は「恐れ入ります」と声をかけ、出ていく時には「どうもお先に」と頭を下げられました。
彼女の顔や洋服よりも、その一連の挨拶が心に残り「素敵な方だなぁ」と見送ったのを覚えています。
そして、彼女がいなくなった後もエレベーターの中に言葉が残り香のように漂っている気がして、言葉って香水みたいだと新しい発見をしました。
それならば、いろんな香りの言葉を集めてみたい。
そう思い、その日出会った言葉をさっそく自分の香水棚に並べました。
いつかどこかで使ってみようと、楽しみにしています。
短歌、文 土門蘭
イラストレーション 岸本敬子
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明日はもっと、豊かな自分に。
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